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至福の時間を邪魔されて不服そうにしながらも、銀は由良にいわれた通り2階の窓を閉めにいった。由良のいうことだけは素直に聞く、どこまでも忠実な番犬だ。そして由良も、自分に都合よく選んだ1階の窓を閉めに歩く。

ヒドい雨だ。
もうすぐ春休みも明けるというのに、肌寒さを感じるほどに。



「はぁ、ギリギリセーフかな。2人ともありが、…な、何してるのかな2人とも」

「寒いっていったらこうなった」

「見、んなおっさん」

「いや、うん…由良くんがいいならいいんだけどね」



洗濯物を取り込んで2人にお礼を、と思ったら今度はソファーに座った銀の膝の上に座り、由良が抱き締められていて。スキンシップの激しすぎる2人に若干眩暈を起こしながらもパパが聞けば、由良から返事が返ってきて。

確かに身長差もあるし、後ろから抱き締めれば暖かくもなるだろう。だからといって、ここまでされるがままでいいのだろうか…。



「由良、ぎゅう」

「…銀痛い」

「っ、ご、め、…悪い」

「んー…寝そう…」

「俺、見張…って、る」



だから寝ていいよ、という銀に、由良は甘えて銀に寄りかかって目を瞑った。厚い胸板に相応しく、聞こえてくる鼓動もドッドッと大きな音をたてている。


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