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一匹狼の不良が実はこんなに可愛い大型犬だったなんて誰が知っていただろうか。無気力な少年がたった1人の人に心を揺れ動かされるなんて誰が想像しただろうか。

運命の赤い糸は髪と名前か。惹かれあう互いの心に、2人は気づいているのだろうか?







「うわわ雨!由良くん洗濯物お願いっ」

「おれ今ムリ」

「じゃあ窓閉めてきて。父さんが洗濯物するからっ」

「だからムリなんだってば…」

「由良く、…あー…」



いい加減にしなさい、と怒ろうとして由良を振り返ったパパは、その膝の上に頭を乗せて寝転がる銀を見て納得したようにセリフを流した。適当に、でもサラサラと撫でてくる由良の手に気持ちよさげな顔を浮かべつつ、ソファーから足をはみ出してまでしている膝枕。

ここ最近はよく見かける光景だ。銀が由良に甘え、ソファーの下から膝に顎を乗せて撫でてくれとねだってきたり。由良も銀に甘いのかよくこうして膝枕をしてあげたりもするし、逆に由良がしてもらうときもある。2人の関係は急激に親密になっていた。



「もー銀くんも起きて窓閉めてきて!ほら由良くんっ」

「んー…銀ー」

「…チッ、おっさん、1人で…やれ」

「しょうがない。おれ一階、銀二階ね」

「…ん」


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あきゅろす。
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