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19
(…由良…)

『ぐっ、は、離しなさ、』

「…も、連絡…すんな」

『あ、あなたっ。銀やめ、やめなさい、あなたっ』

『っ、わ、がっだ…からっ、…はっ、ゲホッ!』



手を離せばズルリと崩れ落ちる体。母親は慌てて支え、背中をさすり恐怖に怯えた目で銀を見る。銀は、冷めた目を送り、くるりと踵を返して家から飛び出した。

由良に会いたい。
けど、今会ってあんな無気力な態度をとられたら、それにもキレてしまいそうだ。



「…チッ」



銀はいく先を変えた。
このストレスを発散し、それから由良に会いにいこう。…いつの間にかこんなにも自分の中を占めていた由良に銀は苛立ちどころか心地よさを覚えつつ、やがて通り名のごとく暴れまくるのだった。







「由良くーん、お風呂沸いたから入っちゃってー」

「んー」

「……」

「……」

「由ー良ーくーん?」



銀が家に帰った翌日の夜。お風呂、と声をかけたにも関わらず動こうとしない由良に、パパはソファーの上からひょっこりと顔を覗かせた。

チラリ、と目を開けてパパと目が合った由良は、そのままポケーと見つめ返す。


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あきゅろす。
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