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「首…」

「……」

「苦しかった…けど、わざとじゃ、ないでしょ」

「そ、れは…」

「銀はおれの犬。いーこいーこ、怖くない」



へにゃ、と笑みを浮かべて、手を伸ばして頭を撫でてくる由良。銀は思わず目頭を熱くさせ、その場にしゃがみ込んで顔を俯かせた。こんなこといってもらえたのは初めてだ。

…ああ、自分は、由良から心がほんわかする素敵なものを色々もらっている。



「…っ、まだ、イテェか」

「んーん」

「わ、…わ、悪かっ、…た」



これが、精一杯。
語尾が小さくて聞き取れなくても、由良には十分気持ちが伝わった。

まだまだ素直じゃないけれど、そんなところも可愛いわんこだ、なんて思いつつ由良は湯船に浸かる。そして髪を洗う手伝いを…しかけて、やる気をなくしてうたた寝を始めた。

その由良を見つめる銀。
口元が緩んでいたことに、本人は気づいていただろうか。







「…一回、家帰る」

「…いってらっしゃい」

「止めねぇ、のかよ…」

「止めたとこでどうにかなるの…?」

「由良くんそんな冷たい言い方…」



ソファーに寝転がったままヒラヒラ手を振る由良に、銀は少し寂しそうな顔をした。それを端から見ていたパパは困ったような顔をし、由良に近づいて起きあがらせる。


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あきゅろす。
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