11 上を向いて犬を呼んだ由良は、くる気配のないポチに脱力し、小さく丸まった。ポチももう14才。耳も遠くなってきていて、同じリビングの隅にいるとはいえ、通常の声の大きさじゃもう聞こえないのだ。 めんどくさい。あーもーやだ。 そんなオーラを垂れ流す由良を横目に、銀は部屋の中を見渡し、圧倒した。 インコが2羽、そしてうさぎが1羽。外にも犬が1匹いて、このリビングに猫が3匹、そしてラッキーとポチ。多い、多すぎだろう…が。 「外のはラブ。あれタマ、すー、トラ、うさぎがピョン太で、ぴーちゃんときぃちゃん」 「昨日、…の、猫いねぇ」 「客間に犬のキャンディ。猫のミケとにゃー子さん、こっちメス。昨日…昨日…。…今は父さんの部屋にえっと…パンダもいる」 「…お、おい」 「不思議だよね…」 何が不思議なものか。 一番の古株であるポチ以外は、全て由良が拾ってきた動物たちなのだから。ダメといっても拾ってきてしまう由良に、パパはもう半分諦めている。 ちなみに昨日一緒に寝ていたのはアメショーのにゃー子さん。由良は考えるのを止めたが、これだけいるとわけも分からなくなる。 「あ…銀、新参者だ」 「あ゙?」 「わぁ怖い。怒っちゃめーよ」 ――ナデナデ 「っ…バカに、すんな」 [*前へ][次へ#] [戻る] |