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でもありがとう、と笑顔で由良にお礼をいい、パパは自室へと戻っていった。リビングに2人だけになる。会話もなく、目も合わない。由良なんてソファーに横になってうつらうつらしていて、今にも寝てしまいそうだ。


(…呑気…)


それを見て、銀は思う。
全くの赤の他人。しかも不良が家にいるというのに、由良たちは警戒なんてしていない。

…と、銀は何かの気配を感じ、ギッ、とそちらを睨みつけた。



『はっ、は、…ワフ』

「……、」



…犬。

由良パパが銀のそばに置いていったブランケットの上でもそもそ動き、どてんと横になった。寝床でも作っていたのか。警戒心がないのは人間だけじゃなかった、と呆れて見ていると、また動く気配を感じてそちらを振り向く。

今度は人間、由良だった。
ソファーから転げ落ちて、のっそのっそとこちらへ向かってくる。すぐに立ち上がる体勢をとって構える銀…だったが、由良はその犬の真横に横になって犬を撫で始めた。



「ラッキー。銀の先輩」

「…あ…?」

「もうおじいちゃんだけど、ポチの方が1つ上…だったっけ?」

「ポ、チ」

「ポチー、ポチー…、…はぁぁくるわけないのに余計な力使った…」


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あきゅろす。
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