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「心配どうもね、ポチー」

「っ…!」

「うわっ」

「由良くん!…大丈夫?」

「あー苦しかった」



突然手がパッと離れ、由良はソファーへ落とされる。そして「あーもーやる気なくしたー」などとボヤキ、横になってしまった。

呆れるパパは、チラリと青年に視線を移す。



「……へ、」

「チッ、…み、んな」

「ご、ごめんねっ」

(…顔、凄い真っ赤だったんだけど…)



もしかして熱がまたあがったのか、と心配そうにチラチラ視線を送るパパだが、その心配は無用だ。近くで見た、慈しむようなあの由良の笑顔に胸を打たれただけ。

こんなこと初めてだ。
ましてや、相手は男なのに。



「…そういえば…犬、名前あるの?」

「こら由良くん犬なんていっちゃダメでしょ!」

「だっておれが拾った犬だし…」

「そういうとこだけ変に主張しないの。ごめんね、えーっと…」

「…銀。…染谷、銀だ」

「銀…」



由良が小さな声で繰り返す。そしてパパに向かっていうのだ、ほら、犬じゃんか、と。確かに犬にもつけそうな名前ではあるが、れっきとした人間だ。

染谷銀。
185以上はあろう高身長に、真っ赤なショートヘアが何よりも印象に残る青年。かなりの美形だが常に眉間にシワが寄っていて、顔が怖い。


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あきゅろす。
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