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常にやる気のなさそうな様子を醸し出し、いつでもどこでもダラダラとしている。若干ただのめんどくさがりなところもあるが、由良が今のところ唯一気力を見せるのは、動物を拾ってくるときだけだ。
「っ…おい!」
――ガシィッ
「ちょ、由良になにすん、」
「な、んで…何で、助けた!俺のこと、ほっとけ…っ」
「えぇー…?」
突如怒り出した青年は大股で由良まで近寄り、胸ぐらを掴んで凄みだした。由良の周りにいた猫や犬が逃げていき、パパが慌てて止めに入ろうとする。しかし、由良は心底分からない、といった顔で首を傾げた。
「助けたって…何?」
「あ゙?だ、から、俺を…」
「おれ、犬拾っただけだし…」
「い、犬、だと…?」
「うぁー…凶暴な犬拾っちゃったよこれ」
少し揺さぶられてもされるがままな由良に "犬" を拾ったといわれ、青年は眉間にシワを寄せてジッと見つめだした。その様子をハラハラと見守るパパ。
と、そんなとき。
1匹の犬が由良を心配してか、2人の足元まで近寄ってきて間に入り込もうとしてきた。足に触れる犬に由良は視線を移し、ちょいちょいと撫で、笑顔を見せる。
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