* 「あー…そっかそっか。いーなぁラブラブで」 「っ…ま、まだまだだよ。このお昼だって、何回も誘ってようやく、だし…」 誤解が解けて、ずっと後悔をしていたらしい賢がまず謝りにきた。都合がいいかもしれないけど、また友達になりたい、と。始めこそ疑心暗鬼に陥りそうになった優人だったが、優人は彼を、その周りの人たちを、許したのだ。 黙っていた自分も悪いし、それに、これくらいは許せるほど器を大きく強くしたいから、と。その優人の強さに惹かれてか、友人は以前よりも増えた。楽しい毎日を、ようやく送れていることに、優人はこれ以上ない幸せを感じている。 「いーや、あの沖先輩がまず人と付き合うなんてことが考えらんないしな。よっぽど優人のこと好きなんだろうぜ」 「え、へへ、そうだと嬉しいけど…っあ、も、いかなきゃ待たせちゃう…!」 「あ、わりぃ引き止めて!またあとでなっ」 「うんっ」 笑顔で手を振り、教室を出る。始めて学校で一緒に食べることになった、今日は記念すべき日。足取りも軽く、先ほど流から指定のあった場所へ向かう…その途中。 階段でばったりと会った人に、優人は思わず足を止めた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |