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逃げたい、今すぐ逃げ出してしまいたい。けれど優人は照の目を見て、しっかりはっきりそういった。ここで逃げても意味はない。ここでの逃げは、しちゃいけないことだ。優人はそう、感じた。



『照チャン…』

「…分かった。僕、いってくるね。だ、大丈夫だからみんな待っててくれる…?」

『ついてくぜ!』

「ううん、僕もちゃんと、話ししたいって思ってた、の…」



全校生徒は、照が優人に犯された、と思っている。だから心配してついてこようとする生徒に弱々しくもちゃんと断りを入れ、優人を睨みつけながら教室を出た。ついてこい、ということなのだろう。

優人は何もいわずあとをついていき、国語準備室…を通り過ぎ、英語準備室へと入った。くるり、と振り返る照の表情は、これでもかというほど歪んでいる。



「今更、なに。しぶとくここに居続けてまだ省吾のこと付け回して、何なんだよ。早く死ねよ、人殺し!」

「っ…そのこと、については、謝ります。か、過去にあったことは、事実だ、から」

「は?謝って許されるとでもお、」

「でも!…も、他の人の前でいうの、は、やめて下さい。嘘、も、いわないでほしい、し、や、八木先輩にいわれるならまだしも、その…他の人にひ、人殺しとかいわれる理由、が、ないですっ」

「人殺しが指図してんなよ!そんなに嫌なら死ねよっ」


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