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「秋山の過去は今、関係ない。それに秋山がもし本当に照を襲っていたとして、その証拠や物証がないと俺は、動けない」

「そん、そんな…っ。せんぱ、は、こいつの方を、信じると…?」



そういうんですか。
照は、絶望した。しかし優人は否定も肯定もしていない。信じるどうのの前に、優人は何も言い訳してないのだ。

優人はそれ以上生徒からの視線に堪えきれず、また頭を下げてその場を立ち去った。戻る先は教室。けれど、今日はもう、寮に帰ってしまおうか。



「照…一応保健室へいこう。立てるか?」

「っ…省吾せんぱぁい…っ」

「照を信じないわけじゃない。ただ、…俺もそれなりに、秋山のことを知っているだけだ」

「人殺し、なのに」

「…そうだな」



優人が、学園中を敵にしてまで『人殺し』というレッテルをまた引き受けた。…己を守るために、約束をずっと守るために。だとしたら省吾は優人の決意を無駄にしてはいけないと、そう考えた。

無駄にせず、けれども自分だけは優人の味方でいれるように。省吾はツキリと痛む胸を押さえつつ、怒りを抑え込んでいる照を連れ、保健室へと向かうのであった…。



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