* だがそれももう必要ない。だって、この部屋には、写真なんかじゃなく本物がいるのだから…。 「あぁ…なんて可愛いんでしょう。夢のようです。これで、優人くんはもう僕のもの…」 「っ…ん゙…」 「優人、くん?起きましたか?」 「ぅ…ん…?ここ…っ、い゙っ!」 「ああっ大丈夫ですか?手荒な真似してスイマセンでした。今湿布を持ってきますね」 待ってて下さい、と笑みを浮かべる明人に、優人は頷いた。いや、それほど自然な感じだったのだ。しかし何があったのか思い出した優人はハッと起き上がり、警戒するようにあたりを見回した。 壁一面に貼られた自分の写真。恐怖を覚えた優人がそこから立ち去ろうとして、それが出来ずにベッドに逆戻りした。ガシャン、と音をたてる左手に繋がれた鎖に、顔を青ざめさせる。 「動いたらダメじゃないですか、優人くん。湿布、貼りますよ」 「っ…せ、んぱい、こ、これ…っ」 「僕は首輪でも似合うかと思ったんですけどね、首じゃ色々不便かと思いまして」 「や…やめて、下さ、こんなの、変…!」 ――バシィン! 「っ、…ひ、ぃっ」 「…っ、ああ、ごめんね優人くん。でも分かって下さい、僕は、優人くんが大好きなんです。もう他の人には見せたくないんですよ…っ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |