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優人は、全く動く気配のない明人を、そっと見上げた。それに合わせ明人の顔もゆっくり優人の方を向き、ニコリと笑みを浮かべ続ける。



「あ、あの、明人せん、ぱ?」

「なんで、どうしてですか?今、最後、あの男を見つめたでしょう」

「み、見つめてな、」

「許せません。優人くんは、僕のものなのに、僕が見つけたのにあんな汚らわしい男と…!」

「や…っ、こ、わい、です。あきひ、と、せんぱ」

「あの男といい、沖といい。…ああもう、ガマン出来ないです。優人くんのよさは、僕だけが知ってればいい」



そう、思いません?優人が最後に見たのは、そういって、笑顔を浮かべる明人だった。







明人の部屋は1人部屋。通常は2人だが、生徒会以外にも特別に1人部屋が認められている生徒が何人かいる。明人の場合、表向きの真面目さと図書委員長としての働き、そして優秀な生徒という肩書き。申請すれば一発で、3年にあがってからはずっと1人で。

何も、ない部屋。…いや、なかった部屋。だが優人が学園にきてからは、その部屋には優人の写真がでかでかと飾られるようになっていた。ほとんど図書室での写真。明人は、見つめるだけに飽きたらず盗撮もしていたのだ。


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