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手が、震えている。それは優人だけではなく省吾も同じで、聞くことに怯えているようだ。きっと省吾は、もう確信を持って聞いてきている。優人にもそれが分かったが、そうです、なんて本当のことをいえるはずがなかった。

まだ、なんとか誤魔化せば。



「ち、ちが、先輩、が…かっこよかったの、で」

「…八木照と話しているのを、聞いた」

「っ、」

「なぁ…優人は、あのときの少年、なのか…?」



…もう、隠しきれない。いつ、話を聞かれていたのか分からないけれど、それを聞いたからこそ、省吾はこうして確認をとってきたのだ。目を泳がせ、迷った挙げ句、優人はほんとに小さく頷いた。

省吾が息を飲み、顔を青ざめてうなだれる。



「…悪い、俺は、秋山になんてこと…」

「あ、謝らないで下さ、!…僕は、あのとき、あなたに救われた、んです」

「俺の罪を擦り付けられて救われるわけねぇだろ!」

「っひ!…ほほ、ほんと、に…あの、ぼ、僕」

「ぁ…わ、悪い大声出して」

「っ…あの日、まで、僕は…監禁されていた、んです」



両親に。
小さな声で優人が真実を告げると、省吾は驚いたように刮目し、言葉をなくした。優人は昔を思い出したくはないが説明をしなきゃいけない、と、掻い摘んで話していく。


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あきゅろす。
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