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「がっ、頑張ります!えと、僕、もっともっと頑張ります、逃げませんっ」

「…知るか」

「頑張ります!」

(…んだこいつ…犬かよ)



チッ、と大きな舌打ちがまるで聞こえてないかのようにキラキラとした目を向けてくる優人に、流は妙な気分になる。こんな目、今まで向けてくる人はいただろうか?
優人にとって流の存在や言葉が初めてのことだらけであるように、流にとっても優人のような存在は初めてなのだ。

学園一手のつけられない不良も、弱くて脆くて、でも頑張って誉めてもらおうとする優人には、どう接していいか分からないらしい。もう殴って黙らせることが出来ないほどに、自分の中に入り込んでいるのだから。



(こ、こんどは僕から、謝りにいく、ぞっ)

(…ま、俺に害がなきゃ別にほっときゃいいか…)



2人の変化は、周りへどういった影響を及ぼすのか。その日、流に殴られた人たちはいつもより手加減していた、と不思議そうに口にすることになる。







「なぁ優人!今日帰りに駄菓子屋寄ってかねー?」

「だ、だがしや…?」

「おぅ、あっちの学校側にあるんだぜ」

「…だっ、だがしって、なに?」

「…え」


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