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それらの単語は、省吾の暗く陰る心の一部を揺さぶる。人殺しだのそういった内容もだが、それを照が優人に向かっていっていることに、一番動揺したのだ。

なぜ、優人に?

分からないが、考えて答えを導き出さなければいけない話しの内容。省吾はフラフラと覚束ない足取りのまま生徒会室に戻り、ソファーに崩れ落ちるように座り込んだ。



「優人、が、あいつの父親を殺した…?」



そんなはずはない、だって…と省吾は4年前のことを少しずつ思い出していく。そう、4年前。あの頃の省吾は、まだ14歳で今とは比べものにならないほど、とてもヤンチャな子供だったんだ…。







優人が自宅から逃げ出す30分ほど前。とある学園の寮から生徒が1人逃げ出していた。金髪で、耳にピアスをいくつかつけた不良。よく外へ逃げ出しては己の力の強さを誇示するように喧嘩していたが、今日ばかりは本当に "逃げ出してきた" のだ。

不良。そのせいで家や学校は口うるさく、更正すれば凄いやつになれるんだといわれ続け、生徒からはその美しい容姿と不良という危ない響きに慕われ、つきまとわれ。誰も "自分" を見てくれない。そう、中学生にはよくありがちなことに省吾は嫌気がさし、逃げ出したのだ。


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