*それでも君さえいてくれればよかったのに。嵐は突然、やってきた。僕たちを狂わす最悪の嵐が。 「…えっ、へ、編入生…ですか?」 『ああ、こんな時期だがうちのクラスにくるらしい。鈴代、今1人部屋だよな?』 「は、い…」 『編入生、そこに入るから色々と頼むぜ。…ああ、日曜日にくるらしいから部屋の片付けもしとけよ。案内とかはいいから』 「わ、分かりました」 僕らのクラスの担任は、ちょっと先生っぽくない風貌してるけど、とてもいい人だと思う。 みんなに人気だし、それなりに顔もいい。えへへ、しーくんの方が何十倍もかっこいいけどね? 木曜日、急に呼ばれて何かと思ったけど、編入生のことだったみたい。 親睦会も終わった今、この時期に編入生なんて珍しいよね…特にここ、外部生って少ないし。 どんな人かな。 …ふ、不良とかじゃないといいんだけど…。 「…ごちそうさま。今日も美味かった」 「えへへ、お粗末様ですっ」 「カナ、片付け終わったら少し話があるんだが…」 「お話?…えっと…うん、分かった…」 「……大丈夫だ、別れ話とかじゃないから」 ククッ、て笑って僕の頭を撫でたしーくん。うぁぁ、今、そんな顔に出ちゃってたのかな? 恥ずかしい…だって、凄く深刻な顔するんだもん。別れ話とか思っちゃうってぇ…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |