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「何にしよっかなー…よし、おれオムライス!」
「うは、かんわいーい」
「な、なにがだよ!…って、ああ!信司!!」
「え、」
「っは、カナ…!遅くなって悪かったな。大丈夫か?」
「しー、くん…しーくんっ」
うわーん会いたかったよぉ…っ!急いできてくれたのかな。少しだけ息切らして、真っ先に僕のとこきてくれた。
ほんとはギュッて抱きつきたいし、抱き締めてもらいたい…けど、周りの目を気にして、それはしないししーくんもしなかった。
その代わり、手だけはギュッと握る。
「ご、ごめんね、忙しかったんでしょ…?」
「いや、大丈夫だ。カナを…この中に1人にはさせられないしな」
「へーお熱いじゃん。マジ2人って幼なじみだけの関係ですかぁ?」
「……」
「…っ、な、んスか…」
茶化してきた荒木くんを、しーくんは無言で睨みつけた。
その内容にじゃないと思う。
仕事をしないみんなに、気軽に話しかけられたくないんじゃないかな…。
「な、なぁ信司!ここ座れよっ!一緒にメシ食おうぜっ!!」
「いや、結構だ。第一、今カナが座ってるだろう」
「なんでだよ信司を呼んだのはおれだぞっ!おれの隣にこなきゃいけないんだっ!!奏!一個ズレろよなっ!」
「え、あ、」
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