5 「あー!忘れてたもっと早くいえよな!…って何してんだよ早く出ろよ待たせたらダメだぞ!!」 「あ、うん」 めぐるくんが出るんじゃなかったの…?そう思いながら出ると、やっぱりそこにはあの3人がいた。 会長様と、副会長様、荒木くんの3人が。出てきたのが僕で、みんな笑顔を一瞬にして無表情に変えた。 「んだ平凡、めぐるはどうした」 「っ、…い、今、くると…」 「お呼びじゃないんですよね平凡なんて。よくまぁそんな顔でめぐるのそばにいようとしますね」 「めぐるが頷きゃ、今すぐにでも部屋替えしつやるっつーのに…」 「…え…」 「メグはチョー優しいからさぁ、人見知りの奏チャンと離れる気はねぇんだってー。…さっさと人見知りなおしてくんね?」 「ひ…っ」 3人の、睨むような人を見下すような目に、体がすくむ。 知らない、部屋替えの話なんて、僕聞いてないもん…っ。 むしろ、お願いしたいくらいなのに! ここで、それをいうだけの勇気があれば。たとえばしーくんのことを、仕事のことをいうだけの勇気があれば。 また、ちょっとは何かが変わったのかもしれないけど…僕にそんな勇気なくて、ただ小さく縮こまった。 そこに、カツラとメガネをつけためぐるくんがやってきて、僕はみんなに端へと追いやられる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |