3 2つ目は、料理。 男で料理する人は少ないかもしれない、特にこの学園では。 でも食堂は少し高いし、たくさん人がいて一緒にご飯食べてると落ち着かないんだ。 だから部屋で食べれるように、僕が覚えた。今じゃ夕飯はほぼ僕が作って、一緒に食べてる。 凝ったものも作れるようになったし、将来的にも役立つでしょ? ――ピンポーン 「……あ、」 チャイム。 ちょうど終わって洗っていた手を拭いて、玄関に向かう。 このまま何もなければ誰かお客さんだけど…、 ――ガチャ 「…ただいま、カナ」 「お帰りしーくんっ」 勝手に鍵が開けば、幼なじみが帰ってきた証。ふ、と笑って『ただいま』っていってくれた幼なじみに、僕も笑顔で出迎えた。 幼なじみの名前は、勝信司。 幼稚舎以来の幼なじみで、僕はしーくんって呼んでる。 背も高くて、とても男前。 平凡な僕とは大違い。 生徒会の書記もしてるし、頭も運動神経も凄くいいんだよ。 あ、あと、目元の泣きボクロがその…エロいって、みんなに人気があるの。 「いい匂いだな」 「あ、も、もう出来てるんだよっ!手、洗ってきてね。僕用意しちゃうから」 「…クッ、ああ」 「うぇ、な、なに?僕変なこといった?」 「いいや、よく出来た、理想的な嫁だと思ってな」 [*前へ][次へ#] [戻る] |