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親衛隊の子たちは僕らを睨みつけながらも、いわれた通りここから立ち去った。
少ししてからしーくんはめぐるくんの腕を離して、僕のところへきてくれる。
少し悲しそうな顔をして、僕の頬に触れた。
「赤くなってるな…あいつらが?」
「う、ううん、これは違うの。名誉の負傷?」
「ふ、そうか。あとで冷やしておけよ?」
「ん、きてくれて、ありがと」
(…少しやつれたな…)
あぁ…しーくんと話してるだけで癒されるなぁ。
触れた頬は甘く痺れて、なんかその、体が熱くなってくる。ひ、久しぶりだからかな、なんか恥ずかしいや。
でも、嬉しいな。
「っ…おいお前!一体誰だよ!なんで邪魔したんだ!!」
「どんな理由があろうと暴力はいけない。…そう教わらなかったか?」
「じゃあ殴られとけっていうのか!?…ぁ…」
「「…?」」
近くまできてしーくんを見上げためぐるくんは、勢いをなくしてジーッとしーくんを見つめだした。
僕としーくんで何だろうと首を傾げると、めぐるくんは声を弾ませて、…しーくんに興味を示しだした。
「おっ、お前なんか凄いかっこいいな!なぁなぁ名前なんていうんだ!?おれは長嶋めぐるだ!めぐるって呼べよなっ」
「…勝だ。3年、長嶋の一つ上だ」
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