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ぐわん!って体が浮き上がった。しーくんが僕を抱き締めたまま立ち上がったの。
ビックリしたー…むぅ、嬉しいけど、悔しいな。僕だって男の子なのに、しーくん軽々持ち上げてるんだもん…。
「いっぱい食べて僕しーくんのこと抱っこ出来るようになる!」
「…クク、そうか、頑張れよ」
「わ、笑ってられるのも今のうちなんだからねっ」
僕がしーくんより大きくなったら、僕がしーくんを抱くのかな?
ひぇぇ、恥ずかしくて考えらんないよぉ!
◆
しーくんの荷物がなくなっただけで、部屋はガランと寂しくなった。
あーあ、ヤダな…と思って過ごした日曜日。お昼頃には編入生がくるっていってたのに、夕方になっても来ないんだよね…。
き、緊張してきた。
不良じゃないよね…っ?
――ガチャ
「ひっ!…え、だ、れ、しーく…?」
玄関の扉の開く音に、ビクッと肩を震わせた。だって、何の物音もしてなかった部屋に急にだもん!
でもしーくんはチャイム鳴らしてたし…じゃあ、へ、編入生?
ドタドタと足音がして、バンッと勢いよくリビングの扉が開かれた。
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