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理央がいなくなったのにまだ騒がしい食堂。どうやら行き場をなくした怒りを僕にぶつけてるみたいだ。『平凡!』だの『近づくなっ』だの聞こえてくるけど…や、マジ勘弁して下さい。脇役受けフラグたっちゃうじゃないかぁああ!!



「僕はあくまで傍観者。保とワンコは理央に夢中で僕なんて見てないっていうのに…はぁ、なぜ分からない」

「分かりたくもないだろ、それ。俺違うし」

「またまたぁ」

「………」

「……理央、渡さねぇ…!」


(俺…何か悪いことしたのか…?)



はぁぁ…と深いため息をつく保。きっと『俺のだっつーの』とか思ったに違いないそうであってくれ!それから意外にも大人しくワンコも僕たちとお昼を食べ、午後の授業のために教室へ向かうことにした。…あ、ワンコはもちろんサボリね。







――キーンコーンカーンコーン

「おっわ…ったぁ!あー早く帰りたい理央に話聞きたーいっ!」

「はいはい。…俺、部活だから一緒に帰れないけど…」

「あ、そっか…ドンマイ保!」

「……は?」



部活で理央と早く会えないのがそんなに寂しいんだねうん分かります。ああああそして美術室にいって外を眺めながら『理央…』とか呟いて黄昏るといい!…ってそれ僕見れないじゃん!

…ちぇっ、まぁ仕方ない。保いないのか…理央はどうすんだろ、ワンコと一緒?よし、いってみよう!んで1人だったらテツさんに紹介しよっと。



「部活、頑張ってな!」

「ああ、伊織も気をつけて帰れよ」

「ははっ、いう相手間違えてるよ」

(…あってんだけどな…)



なぜかため息をついて出ていった保を見送り、2組へ急ぎ足で向かう。ひょこっと顔を出せばワンコはおらず、理央が1人でいたからデートのお誘いをした。……うーん、僕じゃデートにならないや。これが他の人ならオイシイのに。



「ほんじゃーレッツゴー!」

「おー…って、伊織ってほんといつもテンション高いよな…」

「あ、それ誉め言葉。テンション高くなきゃ僕じゃないし」



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