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「伊織…あんまイジメてやるなよ?」
「ぐは何その理央を庇っちゃう発言萌えぇえ!だだだ大丈夫、保から理央を奪ったりしないからっ」
「…違うんだけど…」
「……僕だって人間だから、いざというときは助けますぅ」
「あ、そう、…まぁ伊織も気をつけとけよ」
何が、とはいわない保に少し優しさを感じた。…はっ、ダメダメ、その優しさは理央だけに向けて下さいぃ…!
◆
「んーど・れ・に・し・よ・う・か・なーっ♪」
「……っ、かわい…!」
「ぐは、萌えっ」
「な、なんだよ克己…って伊織!撮るなっ」
「いやいや今のは撮らずしてどうするよ…メチャ萌えなんだけど!うはーバッチシ撮れた」
もちろんムービーで!だってメニュー選びながらそんなこというなんて今時の女の子の中でも滅多にいないでしょ。え、なんなのリズムとかつけちゃって僕を試してるの?…あ、周りの攻めを、か。
ワンコなんてボソッと呟いたのにしっかり理央の耳に入っちゃってるし…っと。
「そんなに睨むなよワ…赤塚。欲しければあげるからさっ」
「!……頼む」
「頼むなっ!」
「…ははっ、ナイスツッコミ」
でもワンコ嬉しそうにしてますから!ムービー欲しいとかいわれちゃいましたからぁあ!!…ごめん理央、僕はこれをワンコにプレゼントするよ…そしてハァハァしなさい!保にも送るからハァハァしてなさい!
(……うわー…俺をみんなよ…)
「…で、理央はどれにしたんだ?やっぱオムライス?旗付きのオムライスにしたの?」
「…伊織、なんでそこまでオムライス勧めんだよ」
「だって王道はオムライスじゃないと!」
あー不器用ながらに作ってあげるのもいいよね。歪なオムライスにケチャップでかかれた名前…『や、やっぱ食べなくていい!』『なんでだよ!…な、食わせてくれよ、理央の手作り』『ま、マズくても知らないんだからねっ』んで、アーン…って萌えぇえ!!愛情いっぱいで美味いとかいってしまえコンチクショー!
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