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ダメっていわれても撮るけどね!まず定位置からパシャリ。ちょっと離れたところからパシャリ。ご丁寧に飾られた菊もパシャリ。落書きはブスだの死ねだの書いてあって、幼稚すぎて僕も笑えてきた。
…けど、ワンコはそうじゃなかったらしい。ギンッ!と周りを睨みつけ、低く唸るように声を出した。
「…誰だ、これ、したの。…ぶっ殺す!」
「ちょ、ぼ、僕は平気ですから落ち着いてっ!ぐ…っ、くそ、デカいな克己…伊織、保、手伝ってくれっ」
「あっ、ああ…赤塚!今暴れたら理央に迷惑かかるぞっ」
――ピタッ
お、止まった。ワンコ…君の忠誠心はどれだけ高いんだ。萌えるからいいけどね。でもさっきまでの君に僕のチキンハートはガタブルさ。
あぁあでも小さいながらに必死に止めようとしてた理央最高!ごめん助けれなくてっ。その代わり理央の勇士はこの僕が写真におさめといてあげるから!くそっ、ワンコ視点でも写真が欲しいぞチクショー!
「なぁ赤塚、理央は大丈夫だっていってんだから信じてやろうぜ?」
「ぅ…理央…」
「そうですよこんな幼稚なイジメ…ははっ、ヤベ、今になって笑えてきた」
クスクスと、口元に手をあてながら小さく笑みを零す理央。それは周りをさらに煽るだけだけど…ナイス王道!それでこそ王道!いやー今日は朝から楽しませてもらっちゃったな…そうだ、今度お礼に僕の本を貸してあげよう。そしてもっと僕に萌えを…!
というところで予鈴が鳴った。
「あ、じゃあ僕たちはクラス戻るから、なんか進展あったら報告ヨロ!」
「えー助けてくれなかった伊織には報告なんてしてあげませーん」
「ケチー!っとヤバ、いこう保」
「ああ…ったく、ほんと酷いことするよな…理央は外部生だっつーのに」
「だからこそ、だよ保」
内部生なら、どうなるか分かってるからちゃんと考えて行動するし、ターゲットにされた時点ですぐ辞めるか何か行動を起こす。外部の理央は何も知らずに接触して気に入られて…ま、気に入らないよね、そりゃ。だからこそまた外へ追い出そうとするんだ。くぅぅ、王道!
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