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「かい、ちょ…さんですか?」
「…ああ、京極大河だ。この俺に逆らおうなんてバカな真似はするなよ?」
上から見下した言い方、それがこの学園で許されるこの人。生徒会長で、風林火山の総長、そして貿易会社Kyougokuの社長の長男。顔もスッゴい男前で、抱かれたいランク1位な上成績もトップ。もうこれぞ俺様会長!って人なんだ!
親衛隊もハンパないし、この人に見合う受けがいなくてずっと待ってたんだ…何回でもいわせて下さい、神様ありがとう!!理央大好きだっ僕のために頑張って!カメラよーしケータイよーし、さぁさぁ会長の興味を引く一言をビシッといって下さいな。
「はぁ…あの、堤理央です。多分迷惑はかけないと思いますんで、覚えてもらわなくても結構ですから」
「……は?」
「き、キタコレGJ!ハァハァさすが理央っ」
『っ、あんたうるさい!』
『邪魔だよっ』
「知らん!僕は今写真を撮るためにここにいるんだぁあっ!!」
どうせならもっとズバッと他にいってほしかったけど十分だよ理央ありがとう!マヌケ面の会長様の写真もゲットだぜ!
「て、めぇ…この俺に他にいうことねぇのかよ」
「そうだそうだ!もっといえっ」
「え…っと、その、誰もが自分に媚びを売るんだって考え、捨てた方がいいと思います」
「っ…あはははっ!た、大河にそんなこという人初めて見た…っ」
(え、俺変なこといった…?)
爆笑小悪魔の写真もいただきぃい!つか理央が小首傾げてるの萌え。じゃないや、やっぱ無自覚か…うん、それでこそ王道!周りは非難めいてるけど僕は理央を賞賛するよっ。……あ、涎が…。だってこのあとといえばもうあれしかないっしょ…!
「クッ…クク、おもしれぇ気に入った!」
「…な、なんですか…」
「……目ぇ瞑りゃいいか…」
理央をジロジロ見つめた会長は、それはもう "ニヤリ" と笑って嫌みな高い背を屈めた。お…おぉお、おっ…い、いけ会長様ーっ!!
――チュッ
「んんーっ!?」
『『イヤァアア京極様ーっ』』
『『やめて下さい…っ』』
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