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ゆっくり噛みながら、普通に美味しいカツサンドを食べる。
勤が、"普通" の友達だったら良かったのに…そう何回思ったかな。



「…ごちそうさま。お腹いっぱい」

「航…」

「……ン…はっ、つと、む…っ」

「クク、ごっそーさん」

「……うん」



ファーストキスなんて、とうの昔に勤に奪われちゃってるもん。
おかげで、「あ、キスする」って瞬間が分かるようになっちゃった。

そこは大人しくしておく。
抵抗すれば、激しいのをされるから。


それからお昼休みいっぱいまでそこで2人だけの時間を過ごして、教室に戻る。



「あ…ごめ、ん。トイレ…」

「ああ、んじゃあ行くか。つか謝る必要なんてねぇだろ」

「そ、だよね。でもいつも "ついてきてくれる" から…」

「可愛い航のためだし」



違うでしょ、自分のため…でしょ?

勤は、僕のことを少しでも見た人を許さないんだ。
体育の着替えのときもそうだけど、特にトイレ。


そんな、トイレで人の見るなんて、変態じゃないかぎりしないと思うんだけど…勤はそれを許さない。

一緒についてきて、中に人がいれば追い出してから僕をトイレの中に通してくれる。

で、自分は外に出て人が入ってこないように見張ってるんだ。



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