7
ゆっくり噛みながら、普通に美味しいカツサンドを食べる。
勤が、"普通" の友達だったら良かったのに…そう何回思ったかな。
「…ごちそうさま。お腹いっぱい」
「航…」
「……ン…はっ、つと、む…っ」
「クク、ごっそーさん」
「……うん」
ファーストキスなんて、とうの昔に勤に奪われちゃってるもん。
おかげで、「あ、キスする」って瞬間が分かるようになっちゃった。
そこは大人しくしておく。
抵抗すれば、激しいのをされるから。
それからお昼休みいっぱいまでそこで2人だけの時間を過ごして、教室に戻る。
「あ…ごめ、ん。トイレ…」
「ああ、んじゃあ行くか。つか謝る必要なんてねぇだろ」
「そ、だよね。でもいつも "ついてきてくれる" から…」
「可愛い航のためだし」
違うでしょ、自分のため…でしょ?
勤は、僕のことを少しでも見た人を許さないんだ。
体育の着替えのときもそうだけど、特にトイレ。
そんな、トイレで人の見るなんて、変態じゃないかぎりしないと思うんだけど…勤はそれを許さない。
一緒についてきて、中に人がいれば追い出してから僕をトイレの中に通してくれる。
で、自分は外に出て人が入ってこないように見張ってるんだ。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!