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――ガラッ

「っ!……え…」

「よぉ航。補習はオワッタか?」

「つ、とむ…どう、して?」

「どうして?何いってんだ?航が無事帰ってこれるよう迎えにきたんだ、当たり前だろ。何もされてねぇ?なぁ、何回話した、何回目ぇ見た」

「っひ…!は、話してないよっ!こ、来なかったんだっ」



責めるように近づいてくる勤に、慌てて来てないと否定する。
そしたらしばらく疑うような目を向けてきたけど、納得してくれたのかニッと笑った。

肩の力が抜けていく。
でも…先生が来ないの、勤のせい…だよね?


30分で補習なんて終わらないよ。その間どこにいたの?

勤が迎えにきた時点で…分かっちゃったんだ。また、勤の被害者が増えたって。



「センコーがサボるとか感心しねぇな。…ま、航が無事ならどうでもいいが」

「ご、ごめんね。僕が課題…忘れちゃった、から」

「航は悪くねぇ。俺の航を補習にしようとしたアイツがわりぃだけだろ」

「っ…そ、そうだね…」

「ああ、30分もムダにしちまった。早く帰ってのんびりしようぜ」



そっと髪を撫で頬を撫で、その手で僕の手をとる勤。
一瞬、殴られるのかと思って震えちゃったけど、勤は気づかなかったみたい。



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あきゅろす。
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