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たった数分で色んな表情を見た。無表情、憂いをおびた表情、困り果てた表情、怒り、悲しみ、笑顔、寂しさ。

クルクルと変わるそれの中で、何よりも笑顔が印象に残った。
……また、見てぇんだよ。



「おい、クラス分かるか」

「……教えないわよ」

「あ゙あ?」

「これはあの子のためでもあるの。誰かと会って、話したなんて片瀬にバレたら…あの子が危ないわ」

「……」

「本気にしてもただの興味にしても、あの子を思うならやめなさい。…向こうがまた接触してくるのを待つことね。あるか分からないけど…」



そうか…そこまで追い詰められてんのか。なら昨日はどうなった。逃げてきて、ただで済んだのか?

昨日の様子だと大丈夫そうだったが…。


……蓮が、好きだった。
始めは興味本位で、最後は本気で。一年かけて忘れることが出来た、そんな俺が次の恋をしたらおかしいか?

タイプがちげぇ。んなもん知るか。…守ってやりてぇと思ったんだよ。そばにいてやりてぇと。


今は何も出来ねぇけど、航の心の支えになれんならガマンする。
だから、また逃げてこい。

俺のもとへ…。



* * *

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