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……怖い、んだ。
僕は、この男が怖い。
逃げるという選択肢すら与えてくれないこの男に、僕は脅かされながら生きている…。
◆
――7:00
「……航、…航起きろ」
「ん…っ、」
「クク、かんわいー寝顔。……ああ食いてぇ」
「っ…!あっ、…ぁ、おは、よう」
「おーいい夢見れたか?」
僕の1日は、勤に起こされて始まる。目覚ましはない。
俺が起こしたいっていって、壊されたから。
ケータイも持ってない。
俺以外連絡とる必要ないだろ?っていわれて、没収されたから。
親への連絡は2ヶ月に一回だけになってしまった。
「顔、洗おーな」
「そっ、そうだね。涎出てないかな…あはは」
「出ててもいいだろ、俺が舐めとってやるしよ」
「……はは…ありが、とう…」
冗談じゃなく、本気でいってるんだ。何回もされた。顔を洗いにいくのだってついてくる。
例えば、冬場で水が冷たいっていうと、慌てて僕の手を掴み、擦って暖めてくる。
何も知らなければ、一見親切で面倒見のいい人。
でも…違う。全てを監視され、勤のやりたいようにされてるだけ。
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