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僕らの日常

鳥だ、なんて表現したけれど、僕はどこにでもいる "はずだった" 高校生。


鮎原 航。
どこにでもいそうな名前。
BL学園っていう男子校に中等部から通い出して、今は高1…の冬真っ只中。

染めてない、染めることも傷めることも禁じられたサラッとした黒髪。
そこは女の子のようだと思うけど、容姿はいたって平凡なはず。

これといって特徴もないから、よくも悪くもない。



それでも……平凡で、よかったのに。平凡が、よかったのに。



「……どこで間違ったんだろ…」

「……どうした?間違えたのか?」

「あっ、…うん…えと、この問題なんだけど…」

「ああ、これはこっちの公式使うんだよ」



同室の男、片瀬 勤。
中2で知り合った人。

金髪はいつもよく弄っていて、シュッと通った鼻筋に整った顔立ち。
背も高くて、ちょっとチャラッとしてる不良っぽいけど、かっこいいんだ。


……見た目だけは。


中身が、狂ってる。
僕を異常なまでに求愛して、束縛してくるんだ。この男と知り合ったせいで僕の平凡な人生は、奪われた。

恋人…ではない。
少なくとも僕はそう思っている。けれどきっと、勤はそう思うことすら許してくれない。



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