空ノ鳥籠 ープロローグー
僕の部屋には、鳥籠がある。
中身のない、空っぽの鳥籠。
いつもピカピカの、使われてない鳥籠。
逃げたわけじゃない。
始めから、中に鳥なんていないのだ。
鳥のために籠を買ったんじゃない。
僕を鳥として閉じ込めるために、籠を買った。
僕は、その鳥籠の中の鳥。
逃げれない鳥。
たとえ外へ出れても、
その鳥籠があるかぎり僕は、
そこへ帰らなければいけない。
カラノトリカゴ。
ボクノトリカゴ。
トリカゴノナカノ、ボク。
自由になる日は、くるのかな…。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!