今日もまた。 高そうなスーツ着てたから誘ってみたはいいものの、よくこういうことをしてるのか手慣れてるし、ハァハァうるさいし脂ぎってるし。 すぐに押し倒そうとしてきたから、何とか説得してお風呂に入ってもらった。 慌てて財布を取り出し、中からお金を出す。 ……この瞬間は、いつも戸惑って手が止まってしまう。 それからごめんなさいと小さく呟いて、お札を引き抜くんだ。 「……ごめんなさい」 カードはとらない。 申し訳なさから、一万は残しておく。そして、シャワーの音がしているうちに、僕は部屋から飛び出した。 す、スッゴいや…20万も入ってた。はは…は、 「ははっ!……バカみたいだ…」 いつまでこんなことをしなきゃいけないのだろう。 ほんとは嫌なのに、それでも止めることは出来ないなんて。 一旦人のいないとこに移動して、気持ちを落ち着かせてからもう一度行くことにした。 お金をちゃんとしまって、お金を持ってそうな男を探す。 そんなとき、後ろから声をかけられた。 「……もし、君…今ヒマですか?」 「え…うわっ」 「ふふ、私と一緒に遊びませんか?」 ビッ──クリした、凄い美形! こういうところにいる人ってさ、まぁ…カッコいいとはいえない人たちばかりだったから。 こんな不自由してなさそうな人に声をかけられるなんて、ほんと驚いた。 言葉をなくしつつもよく見ると、いいスーツは着てるし、腕時計はキンキラだし。 靴もピカピカだ。 「……買って、くれるの…?」 「ええ…どうですか?」 「ぁ…いい、よ…モノズキなオニーサン」 「それはありがとうございます」 このとき僕は、この人を何も疑わずにいたんだ。いつもより綺麗なホテルに腰を抱かれて入り、少しドキドキしながらとっておいたという部屋に向かう。 ドキドキしてるのは、その…ほんと綺麗な人で、今まで以上に悪いことをしてる気分になったから…だと思う。 「こちらです」 「あ、…はい…」 「………よぉ、やっと来たか」 「っ…え、な…!?何でもう1人!?」 「ふふ、申し訳ありません」 [*前へ][次へ#] [戻る] |