共同生活の約束事。
顔、大事にしてそうだから、いざとなったら顔を殴ってやろう。そうしよう。
「……あ、じゃあ僕からもいくつかいい…ですか」
「なんだ?いってみろ」
「バイト…を、したいなと思って。やっぱさすがにこれだけじゃ終わりそうもないし…」
「……どんなバイトだ」
「え?えー…それは探してみないと。いいだろ、家事に支障はきたさないようにするし」
そういえばあの3つのバイト、何もいわずに来ちゃったけどどうしただろう…。
ああ、矢野さんあたりが事情を説明しにいってそうだなー…。
せめてちゃんと自分で挨拶にいって、お詫びと感謝を述べたかった。
「……場所によっては検討してやろう。他は?」
「あっ…と、……友達、作ってもいい、のかなぁと思ったり…」
「……は?」
「だってアンタうるさそうだし、でも僕はせっかく通うなら、その…」
「ッ…クク、んなこと気にしてたのか。バカな奴だな」
「なっ…しょうがないだろ!僕は北斗に…っ、か、買われた身なんだから!」
認めたくないけど、そうなんだ。それで北斗は俺様だから、友達は作るなとかいってきそうで…それじゃ、楽しめないじゃんか。
交友関係にまで口は出されたくないんだよ。
……多分口出ししてきてもいうこと聞かないだろうけど。
(自分でいうとか予想外だったな…)
「そうだ、香澄は俺のものだ。それは忘れるな」
「………」
「それを忘れねぇなら、別にいい。そこまで口は出さねぇ」
「っ、ほんと?!」
「……ああ、学校、ずっと行きたかったんだろ」
「ぁ、ありがとう!」
「っ……あ、あぁ…」
何だよ何だよ、俺様だけってわけじゃないんだ。一応こっちの気持ちも考えてくれてたのかな、今の言い方はそうとっていいよな。
なんか嬉しくなって、相手が北斗だというのに笑顔を見せてしまった。
へへ、だって、学校生活…嬉しいんだもん。
「ふっ、ガキだな」
「っさい、いーんだよガキで。楽しまなきゃつまんないだろ?」
「かもな。…で、他は?」
「他は…今は特にない、かな。…あ、夜のことはいわないでくれよ?」
「分かってる。俺も問題になるからな」
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