はじめまして!
「いらっしゃいませーっ」
『おはよう香澄チャーン』
「あ、も、ちゃん付けはやめて下さいっていってるじゃないですか!」
『はは、今日も1日頑張れそうだ』
「あはは、525円になります」
ここは全国にいくらでもあるコンビニの一つ。
気持ちのいい挨拶で迎えて、これから出勤する人たちを送り出すのも、なかなかやりがいがあったりするんだな、これが。
商品を袋へ詰め、お釣りを渡してありがとうございましたと声をかける。
コンビニの朝のバイトを始めて数ヶ月、色んなお客さんが僕を覚えてくれたみたいだ。
「……あ、いらっしゃいませーっ」
『おー朝からやってんなー』
『オニーサン感心しちゃうよ』
「ははは…」
ま、なーぜかこのコンビニ、朝は出勤前の男性が多くを占めてて、女の子の潤いがないんだけどさ。
朝の6時〜9時。
それがこのコンビニでの勤務時間。家からも近くて便利だ。
改めまして、僕は宮迫 香澄といいます。女みたいな名前だけどれっきとした男!
まぁ…じゃあカッコイいの?とか聞かれたらそうでもないんだけどさ。や、人間真ん中が一番っしょ!
平凡バンザーイッ。
『宮迫君、そろそろ上がっていいよ』
「あ、はい。……あの…」
『……ああ、裏にちゃーんととっといてあるよ。君も大変だね』
「いえ、いつもスイマセン」
頭を下げて裏に入ると、机の上には賞味期限切れのお弁当が。
わーい、今日は3つもある!
店長太っ腹だな…ほんと助かる。
まぁ、コンビニ弁当なんて、売れずに残っちゃえばゴミ箱行きだもんな。
そんなのもったいなさすぎるでしょ?だから僕は、それを譲ってもらってる。
あー…まぁ、うちビンボーだからさ。
「それじゃ、お先に失礼します」
『頑張ってなー』
お弁当を大事に抱えてコンビニから出る。うー暑くなってきたな…まぁ、一番暑い時間に家にいるわけじゃないからいいけどさ。
次までに少し時間があるからゆっくり歩いて家に向かう。
つっても10分もかかんないんだけど。
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