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今日の予習復習の時間に綺麗にしないと。そんなことを考えながら俺は止まっていた足を自分の部屋へと動かした。
◆
「……ふぅ、完璧じゃね?」
何がってこの綺麗に掃除された部屋だよ。いや、そりゃ平日だから目立つとこしかやってないんだけどさ、やっぱ自分で掃いたり拭いたりした方が綺麗になったって思うんだよね。
……あ、今じゃさ、お掃除ロボットなんてのがあって、それが全部やってくれんの。でも俺はそれを信用してない。ロボットなんかに俺の納得いく掃除は出来ないはず!……使ったことないけど。
洗濯機も乾燥機付きじゃないやつなんてないし、その乾燥機もどうなってんだか、シワが残らないようになってる。学校行くと服を干せないからこればかりは仕方ないけど、やっぱ日に当てた服の方がフワフワしてるんだよなぁ。
「……っと、晩飯晩飯」
ゆっくりやってたせいか、もう6:30を回ってる。7時ちょいすぎには陸が帰ってくるから早く作らないとな。部活で体動かしてお腹空かせて帰ってくるだろうし、待たせるのも悪いし。…あ、この卵賞味期限が今日までか。んじゃ卵料理だなー…。
──バタンッ
「たっだいまー!」
「お帰り陸。手ぇ洗ってこいよ」
「それより聞いてくれよ!俺今日高校に上がって初めて田中竜也見たぜっ」
「え?田中…って手を洗ってないのに座るな!先洗ってこい」
「ちぇっ、ケチんぼ優め」
け、ケチってどこがだよ!外から帰ってきて手を洗わないなんて非常識にもほどがある。ちゃんと洗うのか心配になって俺もついていき、ついでにうがいもするよう注意した。あっ、使ったコップは一回流せよな、全く。
「これでオーケー?」
「うん。…で、田中って奴がどうかしたのか?」
「ほらアイツ、不登校の田中竜也だよ」
「んー?……ああ、同じクラスの!」
「そう!ソイツ帰ってくるとき見たぜ!いやー…赤かった、噂通り」
ちゃんといただきますをしてからオムライスを食べる。あ、ちょっとケチャップ多かったかも。
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