6
ニッコリと、その笑顔をぜひ他の生徒にも向けて下さい。けれど先生が美形っていうのは俺もよく分かってるから、つい顔をそらしてしまった。
ボチャボチャと砂糖とミルクを入れてかき混ぜる。苦いと飲めないけどこんなに入れたら糖尿病になるから普段は飲まないようにしてるんだよね…。
「……でだ、今日呼び出したのは風立のことだ」
「陸のこと…ですか?あの、何か…」
「お前、今日の教えといただろ。それにそのウチの子的な言い方…気に食わねぇ」
「言い方…?」
「あんまり教えてばっかいるとアイツの成績落とすぜ?」
「いやいや、教えたくらいで落とすって、それ職権乱用じゃないですか!」
第一、それなら俺じゃなくて陸を呼び出せばいいものを。それに友達同士で教え合ってなにが減点だ。そんなこといったら1人で全部をこなさなきゃいけなくなる。確かに1から10まで教えるのはその人のためにならないけど…。
「ほんとはムリヤリ聞かれてんじゃないのか?俺にいってみろ」
「違いますから!……あー…あれでもやるときはやるんですよ。もう少し見てあげて下さい」
「甘い、甘いな優は」
「……俺からすれば湖東先生が俺に甘すぎます」
それから本人は気づいてるのか分からないけど、結構な甘えん坊だと思う。仕方ないからクッキーを一口食べて美味しいですと笑っておいた。…ほら、相手されて嬉しいですみたいな顔…はぁ、先生の扱いも難しい。
「他にも色々あるぞ」
「いやっ、そんな食べれませんから!」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!