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 ……って、人が思ってるってのに弁当勝手に広げて…まぁいいんだけどさ。お昼休みもそんな長くはないから。それに自分が作ったものを楽しみにしてくれるのは嬉しい。


「いやーいつも悪いねまさっちゃん!」

「いーよ、1人分作るのも2人分作るのも一緒だし、ちゃんと材料費も出してくれてるし…」

「し…?」

「……美味しいっていってもらえんの、嬉しいからさ」

「っ…この卵焼き!すっげー俺好みでうまいぜっ」

「はは、どーも」


(本気で美味いんだけどな…)


 慌てて付け足したようにいってくる陸に笑って返し、自分で入れてきたペットボトルのお茶を机の上に置く。ほとんどが食堂に食べに行くから、お昼って結構静かでいいんだよね。あの "集まり" も一々気にする必要ないし。


「……優、どうかしたか?」

「あ?……何が?」

「いや、ボーッとしてっから…はっ!ついに優にも春が…!?」

「……はぁ、違うから。夕飯は何にするか考えてただけ」

「あ、じゃあ俺カレー食いてぇ!」

「ん、カレーね」


 たくさん作ってその次の日もカレーでいっか…よし、そうしよ。陸に聞けば食べたいものがすぐ返ってくるからべん…助かる。あれって料理してる側は何作るか困るんだよな。ご飯を一口咀嚼しながらそんなことを考える。

 ………って、


「もう食ったのかよ」

「優が遅いんだろー?」

「遅くて悪かったな」


 ゆっくりしっかり噛んだ方が色々体にもいいんだよ。けれどまだ食べてる俺をあまりにも見てくるから、卵焼きを一つだけあげてみた。
 ……うぁ、もう、そんな嬉しそうな顔して。ほんと作りがいがあるなぁ。


「んぐ、次の授業なんだっけ?」

「次…は湖東先生の英語だな。陸当たるだろ」

「ゲ、マジかよ!優助けてくれーっ」

「どーしよっかなー」







──キーンコーン…


「……今日はここまでだ。四月一日、話があるからついてきてくれ」

『えーズルーイッ』
『僕を呼んで下さぁい』



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