3 中等部からずっと全寮制のこの学園に通ってるけど、おあいにく、俺はノーマルで何事もなく過ごしてこれた。まぁ、俺みたいな平凡は相手にされないからね、いい意味でも悪い意味でも。 けれどここの生活…今現代の生活は俺には合わないみたいだ。何でも機械を使って、ちょっと難しいし何もできない子になりそう。それを陸にいったら古い奴だな、なんて笑われたけど。 「おーい優ー」 「んー何ー?」 「俺先寝るぜ?おやすみ」 「おやすみ。ちゃんと布団かけて寝ろよ」 「へいへい、分かってますよお母さん」 あ、また呼びやがって。…俺とそれなりに仲良くなった人はみんないうんだ、俺のことを "お母さん" と。それも一昔前前のお母さんだよね、とまでいってくるから困る。 俺にはそんなつもりないし、いたって普通の高校生。ちょっと不良様が怖くてビビリなところもあるし、友達と話してる時間が好きだ。 人と違うとこなんて……あ、あった。陸曰わく、俺は少し潔癖症の気があるらしい。俺も綺麗好きとは思ってたからそれには納得がいったけど。 「あ゙ー今度入浴剤、買ってこよ」 ヒノキの香りとか、温泉成分のとか。それくらいの贅沢、誰も文句いわないでしょ…。 「……く、りく、起きろ陸っ!」 「ぉ、わっ…!な、なんだ優っ」 「なんだ、じゃないだろ?何のために陸は学校に来てるんだよ。授業中に寝るためか?」 「……いえ、勉強するためデス」 「じゃあ居眠りなんてするな!大体、この授業料とか誰が払ってくれると…、」 「あ゙っ、も、もうお昼だーお腹減ったなー」 「………陸が寝てたんだろ」 しかも話も途中で終わらせて。部活で疲れてるのは分かるけどさ、勉強をしに来てるんだから寝てたら意味ないだろ寝てたら。理解は出来なくてもノートやデータとるくらいのことしないとダメだろ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |