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 顔を合わせた途端相手を上から下まで舐めるように見て、で、これ。初対面の人に対して2人ともマナーがなってなさすぎる。
 まぁでも、噂好きの野次馬陸だからな、当の本人がいるのは驚き以外の何ものでもないんだろう。竜也のなんか勘違いも俺のせいっぽいし…今回は見逃してやろう。


「色々あって友達になったんだ。夕食一緒だけどいいよな?」

「あ、おういーぜ。俺の分が減らなきゃな」

「んじゃ手ぇ洗って来いよ。お腹空いてるんだろ?」

「っしゃ、メシメシーッ」


「手ぇ洗ってって…いわなくてもするんじゃ?」

「……するなら言わないよ」


 ご飯を盛りながらも洗面所の音を聞くために耳を澄ます。…おっ、うがいもしてる。やーっといわれなくても出来るようになったんだ。うんうん、やれば出来るじゃないか。ちょっと多めに盛っといてやろう。


「んじゃ改めて自己紹介な」

「おれ俺!風立陸。知らねーかもしんないけど同じクラスだぜっ」

「っ…」

「……竜也、ちゃんと自己紹介しないとダメだろ?」


 俺がしてもいいけど、なるべく自分から周りに興味を示してほしい。特に陸と仲良くなっとくのは、今後クラスに溶け込むにもラクだろうしな。ん?って顔を見てもう一度促してみた。


「……田中竜也」

「ん、偉いぞ。これで2人ももう友達だな」

「もっちろん!好きなものはバスケと優のメシと楽しいこと。これから仲良くしてくれっ」

「あぁ…うん」

「暗いなーハデな頭してるくせに…って俺もか!」

「おい陸、もう少しボリューム下げて話せよ」


 仲良く話すのはいいことだけど、唾がおかずに飛んでる。それに箸で人をさすのもどうかと思うぞ?そんなことを目で訴えながらご飯を食べ進める。うん、今日もなかなかうまく出来てるな。


「……あのさ、」

「ん?」

「アイツ、うざくない?」

「……まぁ、口数が多いけど」

「俺ついてけない。あの口縫いたくなってきた」

「大丈夫だ、俺も始めは戸惑った。…人間関係なんてそんなもんだと思うよ?」



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あきゅろす。
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