Long
X
PPPPPPPP...
「んっ・・・?」
臨也はベッドの上から腕だけを動かして目覚まし時計を止めた。
その時気付いたのだが
俺・・・静ちゃんに抱きつかれてる?
あの後臨也は気を失い静雄によってお風呂に入れられ寝かされていたのだ・・・静雄に抱きつかれながら・・・
まあそれはいいのだが・・・
俺、今・・・全裸?
そう臨也は裸だったのだ
おまけに静雄も
この時期は特別寒い訳ではないが、さすがに服が着たい。それに静雄の力はやはり強くて軽く締め付けられ、少し苦しい。しかたなく臨也は静雄を起こすことにした
「しずちゃんっ!起きて!」
臨也は静雄の肩を揺らしながら呼ぶ
「んん?ぃ、ざや?」
「そうだよ。服着たいから離して?」
「あぁ・・・わるぃ・・・」
寝ぼけているのか、ボーっとしている。
そっと緩まった腕をずらし起き上がろうとすると
ズキンッ
腰に強い痛みが走った
「ッ・・・」
「痛いのか?」
「!?」
さっきまで寝ぼけていたはずの静雄は、眠気が覚めたのかいつもどうりの様子で臨也の様子を伺っている
「・・・うん・・・ちょっとね」
ちょっととか言っているが実際起き上がれないほどの激痛なのだ
「悪い・・・激しくしすぎたか?」
「そんな事ないよ。それに俺がいいって言ったんだし」
「でも動けないんだろ?」
「・・・」
やはり静ちゃんにはすべてお見通しか・・・
「今日仕事は?」
「え?俺?・・・大した用事は無いよ訪問者が来なかったらだけど」
「そうか・・・。なら寝てろ」
「え゛?」
「なんだ?」
「俺お腹空いてるし、家事とかも溜まってるんだけど・・・」
「あ?それくらい俺がやる」
「えぇ?しずちゃん出来るの?物壊したりしない?」
「おい・・・それはケンカ売ってんのか?」
「まさか・・・。今けんか売っても勝ち目ないしね」
「はぁ・・・。俺も一人暮らししてるんだからそれくらい出来る」
「へぇ〜・・・」
意外だなあ・・・しずちゃんって食事は外食、洗濯はクリーニング・・・ってゆうより洗う前にボロボロ、掃除はせずにそのままってイメージだったんだけど・・・。ん?情報屋ならそれくらい知ってるだろうって?残念ながらこの前までしずちゃんのこと嫌いだったんだ。嫌いな相手のことをわざわざ知りたいとは思わないさ。弱点とかは調べ上げたけどね。まあ有力な物は出なかったよ。あるとすれば幽くんくらいだね。それか田中トム。あの二人は結構自由に静雄を操れると思うんだ。特に幽くんはね。まあ嫌いな相手のいつもの生活状況なんて興味ないよ。調べたらなんか出てくるかもしれないけど、そこまでするのは反吐が出る。そういえばしずちゃんを愛してしまった俺はこの世界中の人すべてを愛してしまったというわけか・・・。まあしずちゃんは特別だけど・・・って俺は何を考えてるんだろう///ばかばかしい・・・まあ話はそれたけど、とりあえず俺にはしずちゃんが家事をしている姿は想像できないって事だね
「お前失礼な事考えてんだろ…」
「まさか。しずちゃんが家事出来るなんてすごいなーって」
嘘はついてない。
「…棒読みじゃねーか」
あれ。俺とした事が。
演技は得意だったはずなのに、しずちゃんの前だとうまくいかない。ちょっと悔しいとか思ったり。
「別にそんな事ないよ。じゃあ、家事の出来ちゃうしずちゃんに甘えさしてもらおうかな」
「・・・ケンカ売ってんのか?」
「え!?売ってないよ!何処が売ってるように聞こえたんだよ」
臨也は今の言葉に悪意はない。
と言うより言葉の中に含まれる悪意のようなものに気付いていないのだ。つまり無意識。
無意識でウザイ。臨也も普通に生きていれば相当な損をしていただろう。まあ今の仕事柄気にする事もないだろうが…
「ウザイ。」
「ヒド!!しずちゃんひどいよ!」
「はぁ…。分かったから寝てろ」
「…なんか馬鹿にされた気分」
「いいから寝てろよ」
「はいはい」
俺が返事すると、しずちゃんはそのまま部屋を出て行った
******************
それからしばらくすると部屋のドアが開いた
中に入ってきたのはしずちゃんで、俺の方に近付くとそのままベッドに腰掛けた。
そして何も言わずに俺にティーカップを差し出した
痛む腰を我慢してゆっくりと起き上がり、それを受け取った
軽く香りを嗅いだ後、中身を口に流し込んだ。
ほのかに優しい香りを漂わせるそれは、俺の好みを熟知されて作られたようにおいしかった温度もちょうどよくて冷えた体を温めてくれるようだった
「…おいしい」
「そうか。」
「もう、おわったの?」
「ああ」
「ありがと」
「///いや、別に」
俺から目を背けたしずちゃんの耳は赤く染まっていた
かわいいなあ。
…なんていったらまた俺の方がかわいいとか言うのかな。別に自惚れてる訳じゃないけど
こんな事思うのはしずちゃんの愛に毒されちゃったから?
宿敵だった奴ともっと一緒に居たいなんて、ホント訳分かんない…
コレもきっとしずちゃんのせい。
腰の痛みが幸せだと思うのも、自分らしくない事を考えちゃうのも、今はしずちゃん以外の人間への興味が少しだけ薄れてしまったのも、しずちゃんの横にいるからこんな変な事を考えてる時間が落ち付くんだとか思っちゃうのも、全部、全部、しずちゃんのせいだ。
…いや…?
俺のせいなのかもしれない。
しずちゃんの大きくて、不器用だけど暖かい、そんな愛に毒されてしまった俺のせい。
でも…それさえもどうでもいい
俺の頭の上に手を乗せて、そんな優しい顔でゆっくりと頭をなでる君の顔とその手の温もりを感じてしまったから。
いまはその暖かさに身を任せるとしよう
そこまで考えると臨也の思考は止まり、ゆっくり優しい眠りへと落ちていった
静雄は自分の肩に重みがかかったのを感じると臨也の顔を覗き込んだ
そして眠っているのが分かると、臨也に握られたマグカップを抜き取り、音を立てないようにサイドテーブルへと置いた
臨也を抱き上げベッドへ寝かせると、自分もベッドの中へもぐりこんだ。
静雄は臨也を優しく抱きしめてそっと目を閉じた
その時の表情は喧嘩人形と謳われた平和島静雄とは程遠いものだった
―後、少しだけ・・・あなたの隣で…―
***********************************************************
第5話。
訳が分かりませんね!
初夜の朝ってことです
朝チュンしたかったけど、文才がなくて表現できなかったので、ボツ行き。
明らかにキャラがおかしい。
いまさらだけどしずちゃんの口調ってよく分かんない
なんか無口キャラにー…
すみません
[*BACK]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!