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〜薄桜鬼*童話パロ*〜
薄桜鬼で*赤ずきん*[ノーマル]
あるところに、赤いずきんをかぶった可愛らしい女の子ーー千鶴がいました。

ある日千鶴は、お父さんに頼まれて、病気のお婆さんに薬を届けることになりました。

森には狼がいるから気をつけなさい

千鶴は少し怖く思いましたが、お婆さんが心配だったので
一人森に入っていったのでした。


細く、長い道は森を縫うようにはしっています
木漏れ日が、道を照らしている光景はとても綺麗でした。
千「あ、ウサギがいる!」
森の動物を追いかけているうちに、千鶴はすっかり狼の存在を忘れてしまいました。

時間も忘れて駆けていると、辺りは大きな木ばかり。
千「ここはどこ?」
どうやら、色々と追いかけているうちに、千鶴は道に迷ってしまったようです。
周りを見回してみますが、そこは綺麗なお花畑が広がるばかり。
見覚えのある小道ではあるません。
千「どうしよう。お婆さんが待っているのに...
千鶴がオロオロと困っていると、そこに六人の狩人がやってきました。
土「おい、そこで何してる」
千「え?」
沖「あははっ、そんな無愛想じゃ、狼の方がまだ可愛いよ」
眉間に皺を寄せる狩人。
軽快に笑う狩人。
話によると、最近狼の活動が活発になっているらしく、こうしてみんなで見回りをしているのだそうです。
一「寄り道などせずに、さっさと行け...」
慌てて篭を持つと、千鶴は狩人に示された方へ駆けていきました。
悪い人たちではないのでしょうが、少し怖かったので、
出来れば二度と会いたくはありません。
立ち止まり、もう一度ぺこりと頭を下げると今度こそ、千鶴は
お婆さんの家へと向かうのでした。

お婆さんの家は久しぶりに訪れても、昔となんら変わっていませんでした。
心配していた狼にも会わなかったし、完璧なお使いでした。
千鶴がお婆さんの家の扉を叩こうとしたときーー
「くはぁぁぁっ」
近くでなにやら音がしました。
周りを見ると、すぐ後ろにある茂みが揺れています。
千「...誰ですか」
声をかけてみますが、返事はありません。
揺れている茂みを覗いた瞬間ーー
狼「ぐぁぁぁぁ!」
真っ白な毛並みで不気味に瞳を光らせた狼が飛びかかってきました。
狼「血...血ぃ!」
千「きゃぁぁぁ!」
頭からぱっくり食べられてしまうーーそう思ったとき
土「待て!」
駆け抜ける一陣の光。
そこには、森で出会った六人の狩人が刀片手に立っていました。
佐「やっと見つけた」
平「まさかこんな所に逃げてたなんてなぁ」
新「おうっし!誰が一番多くしとめるか勝負だ!」
一人がそう叫んだ途端、それを合図にしたかのように
さらに茂みの奥から沢山の狼が現れました。
千「きゃぁぁぁ!」
再び駆ける、銀の刃。
土「いいから、てめぇら...暴れたいだけ暴れろ!」

それは本当に一瞬のことでした。
そっと千鶴が周りを見回すと、そこに狼の姿は既になくなっていました。
新「よぉっし!俺の勝ちだな」
平「えぇー」
佐「いや、俺の方が一匹多かった。今夜は新八のおごりだな」
沖「あれ?一君、たったのそれだけ?」
一「総司と大して変わらん」
土「黙れ!なにごちゃごちゃしてんだ」
なんだかよくわかりませんでしたが、どうやら助かったみたいです。
沖あはは、皺、増えるよ
土「総司...そりゃ死にたいってことか?」
すぐにまた荒々しい声があがる。
やはりまだ少し千鶴は怖いと思いました。
でもーー
千ぁ、有り難う御座いました
助けられたのも事実で、少しだけカッコいいなと思った千鶴でした。

その後無事、お使いを済ませた千鶴は狩人を目指すようになったとか、ならなかったとか......

[完]

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