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好きだから/アポロ


「どこへ行ってたのです?」

おかえりも無しにそれか。
半ば飽きれたように私は言った。

「それが一番の優先事項なので。
で、どこへ行ってたのですか?」
「別に……いいじゃんどこでも」

ふ、と彼の機嫌が悪くなった気がした。
いつも放ったらかしのくせに。
こういう時だけしつこいのね。

「外出を禁じますよ」
「なんで」

そう言った瞬間、私の顔のすぐ横を何かが飛んでいった。あれは。……ペン?
壁に刺さってるけど?え?

「口答えするんですか」
「いや理由を聞いただk「黙りなさい!!」ういっす」

あれ、よくよくアポロの顔みたら怒ってるんじゃなくて照れてるのか。
やっと気付いた私は仕方なく口をつぐんだ。
あぁいう時に口出すとろくなことない。

「………………からです」
「はい?」
「ナマエが帰って来なくなってしまいそうで怖いから、です」
「あらま」

思わず声に出してしまった。
照れの赤が怒りの赤に変わったのは言うまでもなく。
次は何が飛んで来るかなぁとかそんな事考えながら私はアポロのお説教聞き流した。


好きだから


(「(心配するんです)」)

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