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君が居てくれたら/クダリ


鞄をゴソゴソと漁るぼく。あ、どうしよ、お弁当忘れちゃった。
今は丁度お昼の時間、なのにお弁当忘れた…。
売店に行こうか。いやめんどくさい、と考えていると

「クダリ、お弁当持って来たよ〜」
「!」

この間ののびた声は。
声のした方に顔を向けると、ぼくを見つけて走ってきたのか息が少しあがっているナマエがいた。

「持って来てくれたんだ」
「だって忘れてたから」

はいこれ、と彼女からお弁当を渡される。
例え忘れ物を届けてくれるだけでもギアステーションに来てくれるなんて嬉しい!
それにナマエの作るご飯美味しいし、流石ぼくのかのじょ……て、あれ?

「ナマエ、お弁当二つある」

ノボリ兄さんはお弁当ちゃんと持ってたし。
なんでだろう?
疑問に思ったぼくを見て、ナマエはクスクスと笑った。

「どうせならクダリとお昼を一緒に食べようと思って私の分も作ったの!」
「!!ほんと!?」

思わず大声を出してしまった自分。
うるさいよ、って怒られるかと思ってナマエを見たけど、彼女はまたクスクスと笑っていた。
む。馬鹿にされた気分。
でも、なんでも許せるくらいかわいいからナマエはズルい。実際許せる。

「そんなに嬉しい?」

問われた質問に、ぼくは少し考えた。
このままナマエのペース、よくない。

「あのね、」

考えた末にぼくは彼女の耳元でこう言った。

「すっごい嬉しい。それにナマエが笑ってるとぼくも楽しい。好きだよ」

そうして彼女の頬に軽くキスをした。
この際誰か見てるとか気にしない。(まぁ鉄道員くらいしか出入りしない管理室だけど)

「!!!?!?」
「えへへ」

顔を真っ赤にさせたぼくのかわいいかわいい彼女。
あのね、あのね。


君が居てくれたら


(「ぼくすっごく嬉しい」)

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