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unendliche Melodie 27

「ようやく来ましたか。アイリーン」

馬車にたどり着く直前の会話はさておき、たどり着くと、中から出てきたのは、カーティス。

「え?」
「ま、何だ、俺とかスチュアートのやつは、此処までしかできねぇしな。今は」
「あ・・そか」

二人には仕事も立場もある。
しかも、それは裏の仕事とかじゃない。

「私も、ご一緒できないのが心苦しいですが・・」

ライルが微笑む。

「また、帰ってくるのをお待ちしてますよ。」
「うん。行ってきます。」

ユウの事は気になるけれど、また旅の途中で会うだろう。
それに、今あったら、余計な迷惑がかかるしなぁ。

「じゃあ、行きますか・・て、なんて顔してるんです。」
「え?」

乗り込むと、カーティスが変な顔をしてこちらの顔を覗き込んだ。
そんな顔・・?

「さびしそうですよ。」
「・・・」

目を見張る。
カーティスが人並な事を言っている。

「カーティス・・あんた、熱でもある?」
「失礼な。なんででそうなるんです。」
「だって、人並なこと言うから。」
「そんな顔されたら誰だっていいますよ。全く、また戻って来るんです。それまでは外で自由を満喫してくればいいでしょう。」

走る馬車はやっぱり快調に進んでいく。
あ〜きっと色々みんなに迷惑かけてるんだろうなぁ・・
ちょっと申し訳なくなる。

「そうね。」
「ま、目的地までは長いですし、二人っきりの愛の逃避行にしゃれこみましょうか。」
「・・・・・・・・・・・・・・は?」

さっき聞いたようなせりふが出てきた気がする。

「は?って、なんです、その反応。」
「や、愛の逃避行じゃないし。」

愛なんてないし。
つか、カーティス・・あんた・・・

「頭、壊れた?カーティス」
「失礼すぎません?」
「全然。ていうかね、そのセリフ、ロベルトがさっき言ってたわよ。愛の逃避行みたいって・・」
「・・・こっちはみたいじゃなくて、逃避行ですよ。」
「でも、愛はないわよ。」
「なら、好きになってください。」
「誰を」
「僕ですよ。」
「何で。」
「もちろん、僕がアイリーンを好きなので。そうすれば、愛の逃避行になりますねv」

あれ?この人、ロベルトじゃないわよね??
目をそらしてしまう。赤い髪。
金の髪の男はいないはずなのに、デジャブを感じる。




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あきゅろす。
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