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眠りさめぬ蕾の如く(マイアイ)
(雨降りし・・の続き)
まだ変わらないと彼が言う








ぼたり
ぱしゃり
じとり


今日も雨が降っている
雨の季節だから当たり前

そうして今日も外は土砂降り

多すぎる雨に道のいたるところが水没している

行き場の無い流れ
出口が無いようにも見えるそれ
終わらずにそのままあふれるかのような錯覚

そう
錯覚だ



湿気に少しイライラとさせられながら廊下を進んだ。
一階の酒場は熱気と湿気であふれていた。
男ばっかで楽しくも無い。
少しばかりむっとした気分だけれど、それを顔には出さない。
出すことは、負けみたいに思えるだろ?
だから、包み隠して、覆い隠して、無かったことにする。

ガチャリ

二階から上は宿になってて、俺は濡れずに部屋にたどり着く。
こんな日は、外になんて出たくないしな。
そう思ってるのは、俺だけじゃない。
そのはずだ。
そうして開いた扉の向こうには

「あれ?」

「おかえり!マイセン」

ミハしかいない。
満面の笑みの悪魔。
そいつに、ただいまと、戸惑ったような引きつった笑みを投げかけつつ、部屋を見渡すが、やっぱりいない。

「プリンセスは出かけたのか?」

「うん。」

「いつからいない?」

「確か、雨が降る直前だったかなぁ。」

ゆったりとした返答に、俺はゆったりした気分になれないまま、目をむいた。
雨が降る前?
じゃあ、かさは??
扉の方を振り向けば、3本・・
俺と、ミハと、プリンセスの傘。
雨の季節だし、珍しいはずだと、買ってみた代物。
旅人には邪魔な代物だけど、でも、まぁ、珍しがるプリンセスの顔が見たかったから別にいんだけど。
つか、3本あるって事は、つまりは

「なっ・・じゃぁ、今頃びしょ濡れじゃないのか!?」

「・・さぁ?」

かくんと首をかしげるミハに、顔を覆いながら、ちょっと出てくるから、バスタオル用意して待ってろといい置いて出て行く。
何をやっているのか。あのお姫様は。
降ってなくても降りそうな時期なんだから持っていけばいいのに。
降ってなくても今日は降るって言ったんだから、外出を控えてくれればよかったのに。
つか、何で俺が焦る必要があるんだ。
おかしいだろう。
雨の中、傘をさして足早に道を抜けていく。
軒下とかにいればいい。
迷子みたいな顔をしてれば、笑って迎えにいってやるから。
でも、何か、そんな風に待ってるはず無いだろうなって、どっかで分かってるよ。
あんた、いつも無謀すぎるからな。
風邪とかひいて、懲りればいい。
でも、風邪ひかれたら、それはそれで心配だから困る。
だから、困るって何なんだ。

足元で水がはねる。
視界が水滴で遮られる。

自分の中も、そんな感じだ。
何かに遮られる。
視界が・・先が・・
よく見えないまま。
見たいのか、見たくないのか、そんなのすらわからない。
お姫様、あんたはもう、しってんのかな?

殻の中身はまだ眠ったまま。





++++++++++++++++++++++++
続く。かも
余裕の無いマイセンが書きたくて、で、こうなった。
何かおかしいな。(^p^
まだちょっと無自覚。
だから未熟な感じで。






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