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捧げもの小説
まだ、知らない。(3300hitリク)





まだ知らない。




「栄口ぃ〜!」


「なに、水谷?」


「あのねあのね、」



水谷が栄口に後ろから抱き着いたり、栄口の肩に水谷のあごがのったまま話をする…。
いつも俺が見てる、
昼休みの水谷と栄口のたわいのないやり取り。

でも、いつからか栄口が一歩引いた様な、かといって遠慮しているでもない行動をするようになったのは、栄口の誕生日を過ぎたぐらいからだと思う。



「…だよね〜、花井!」


「…ん?あぁ。」


「どうしたの、考え事?」


「主将しっかり〜!」


「水谷、どっか行け。邪魔だ。」


「阿部ひどぉ〜い!」



「…はぁ、ともかく今日はモモカンが用事あるから部活は無しだ!明日の朝練、気合いたっぷりだろうから覚悟しとけよ!」


「ふぁ〜い!」


「………一々カンに障るんだよ!」


「ひぃ〜!阿部が怒ったぁ〜!」



水谷が阿部の怒りを買うから…まぁそれは置いといて、



「栄口、話がある。」


「何?」


「水谷と、何かあったか?」


「…?何もないよ?」


「ならいいけど…。」


「さかえぐちぃ〜!」



一回りして栄口の後ろに戻ってきた水谷。
結局ぎこちない気がした事、聞けなかったな。



「はいはい、そこら辺にしてあげて?」


「…一発殴らせろ。」



阿部も諦めを覚えればいいのに…。



「いたいよ〜!」


「全く、飽きないよね、阿部も、水谷も。」



あ、優しい顔だ。
あの顔は、水谷にしかしない顔だ。
それを俺は知っている。
野球部全員を見てるから気づいた、小さな違い。

でも、その意味を俺は知らない。
…目を逸らしているだけかもしれないけど。



「はーないー!!!」


「うぉっ!?飛びつくな!危ないだろーが!」


「へへっ!じゃあ抱き着くのはいいんだよな?!」



そーじゃねーだろ?!



「おアツいねぇ〜!」


「あのなぁ〜!」


「そうだろー!羨ましいだろー!」



あぁ、
何を言っても勝てる気がしねぇ…。



「では、これにて会議終わり〜!!!」


「………だから、口を挟むな。」


「いいじゃん、終わったんだから!」


「………はぁ、次の授業の準備する。」


「ちょっ、田島には文句なしかよぉ〜!!!」


「うるせぇ水谷!!!」


「あ、花井、ノート貸して!」


「それで来たのかよ!」


「うん!」


「しょうがないな、何のノート?」


「えいご!」



まったく、自分でやらなきゃわからないままじゃないか。



「栄口、やっと平和になったね〜。」


「水谷が阿部を怒らせなかったらいつでも平和だよー。」


「栄口までひどい!でもすき!!!」


「…知ってる。」




「………本気、なのか?」


「…なにが?」





まだ、知らない。
それを、『愛』だと。












…コメント…
ヒラノ様、大変お待たせ致しました!!!
『自覚症状のない水栄』でお受けしたのですが…。


水谷+花←田というまさかな話になってしまいました…。
しかも、田島様が前に出たがる出たがる(笑)

このお話の田島は花井の事が好きです。

花井、早く気付け…!(笑)


思ったように書けなくて、
三歩進んで二歩下がる状態でした…。

書いた本人は、
阿部VS水谷
花田のイチャイチャ
が書いていて楽しかったという…。←←


こんなどうしようもない管理人ですみません(涙)
ヒラノ様これからもよろしくお願い致します!!!




≫完成
2010/2/19



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