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NL部屋
攻略本はありますか?《順リコ》一周年記念フリー
ありがち合宿ネタ、というかパパネタ!



「やっぱこえーな親父さん…」

サングラスをずらした鋭い目にガン飛ばされた後、カントクに向かって呟いた。

「あら、娘を持つ父親なんてみんなそんなものよ」

16年間、守られて育ったのであろうカントクは、すっかり慣れてしまっているようだ。



思い出してみると、俺はあの人に会うたびガン飛ばされている。

そう、プール練が決定した時もそうだった。


「こ、こんにちは!誠凛高校男子バスケットボール部部長日向順平です!」

たとえカントクを通して許可が出たとしても、部長の自分くらいは挨拶に行くのが礼儀だ。本来なら、頼む段階から俺も行くべきだったのだが《パパ相手なら私一人のほうが交渉しやすいわ》とカントクが言うので任せてあったのだ。

初めて会ったカントクの親父さんは、一言で言えばカッコイイおじさんだった。
流石スポーツジムのオーナーと言うべきか、歳の割りに随分としっかりした体つき。シャツから出た腕は見るからに強そうで、体力全盛期の高校生である俺でも腕相撲なんかしたら負けるかもしれない。
加えてサングラスとその奥の鋭い、というかいっそ怖いと言えるような目。
世のくたびれたサラリーマン達に見習わせたいようなカッコイイ歳の取り方をしていた。

が、怖いものは怖い。
よくこんな親父からカントクみたいな可愛い子が…って、流石に失礼か。
ゆっくりとサングラスを外し口を開いた親父さんを、俺は緊張したまま見つめる。

「よろしくな坊主。
じゃ、服を脱げ」

前言撤回、100パーセントカントクの親父。
正直気が抜けたが、言われた通りにワイシャツを脱ぐ。

「悪くねえ鍛え方だ。リコ、どう見る?」

「そうね、ちょっと瞬発力弱いかな。腕力は伸びそうだわ、アウトサイドからゴール狙えると思う」

入部したての時も言われたことだが、自分の弱点をズバッと言い当てられるのは少し痛い。だが、親父さんに褒められたのは悪くない気分だった。

「坊主、リコの目は俺より正確だ。リコのシゴきに着いて行ければ、上まで行けるぞ」

「…ウス!」

親父さんの口ぶりに、いい人でよかった、ちょい悪な見た目で判断しちゃいけなかったな、と胸を撫で下ろしたのだが。

「あとな、部員の奴らにも伝えとけ。
娘に手ェ出したら、ぶっ殺す!!」

「は、はい!!」

不意打ちの恐怖に裏返りそうになる声を必死で抑え、なんとか返事をする。
もうパパったらー、と緩く諌めるカントクには分からなかったかもしれないが、あの目はマジだった。男の影がちらついたりでもしたら、そいつの命はないだろう。

学校に戻ったら、あいつらにもよく言っておかなければ。仲間の命の為に俺は誓った。






「何ボーッとしてるのよ」

「ん?いや、いつ見ても渋い親父さんだと思ってな」

本当は若干違うが、そういうことにしておいてもらいたい。

「私のパパよ?当たり前じゃない」

ですよねー。でも出来ればもう少し攻略しやすそうな人だと嬉しいんですけどねー。

「あら、今のうちに慣れておかないとツラいんじゃない??」

あれ、それってどういう…。

「将来日向君が戦う相手はアレなのよ??」

ニコッとか効果音付きそうな可愛い顔で笑いやがってお前は俺をどうしたいんだ!!

…。
あれ?
将来、戦う…??

「リコさんリコさん、それってつまり…」

「一生離してなんかやらないわよ??ってこと」

同じニコッでも今度はなんつーか、いい言い方をすれば色っぽい。

もっと直接的に言うなら背筋にクるような。

「…そこまで言われると俺の立場ないんですけど」

ちょっと治まりそうにない自分の鼓動を聞きながら、俺はそれだけ答えた。






(こっちの立場がないくらい)(カッコよくて可愛い、人なんです)







******
合宿で一本は書いておかないと!と書いたものです。
私の中でまだイケメンリコフィーバーが去ってくれません。同時にカッコイイ日向主将が書けません。
ごめん、主将!!

こんなんでも一応一周年記念フリーです、よろしければどうぞお持ち帰り下さいo(^-^)o

Thanks一周年!!


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あきゅろす。
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