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疑問?



結局、納得したような、してないような感じで、月渉のキス事件は解決(?)いた。

結果的に、月渉はキス魔で、
寝起きだと、“誰にでも”キスしちゃう、ということだ。







二人でトボトボ歩いていると、すぐ僕の家に着いた。

「じゃあ、また明日」と言うと、
「ああ、」と言いながら僕に背を向けて歩き出す月渉。

後ろ姿を見送ったら、
兄ちゃんが待っているであろう、我が家に入った。



「ただいまー」


玄関で靴を脱ぎながら、放った言葉に、今日は返事がない。



まだ帰ってきてないのかな?

でも、リビングの電気点いてるし・・・



不信に思った僕は、足音をたてないようにしながら、リビングに向かった。

リビングを覗いてみると、
ソファーに兄ちゃんの後ろ姿が見えた。



なんだ、いるじゃん。 



リビングのドアを開けて、入ろうとしたら、知らない声が聞こえてきた。

それも、兄ちゃんの向こう側から。




「そろそろ、落ち着いてきただろう。
透だって慣れてきたはずだ」




自分の名前が出てきたことに驚き、
少しだけ開けてしまったドアを閉め、
そっと耳を傾けた。



「たしかに、透も、こちらの生活に慣れてきました。
しかし、まだ早すぎます!」




「こういう事は、早めからやっておくべきなんだよ。」




「・・・しかし、」



僕には分からない話題を繰り広げる二人。

・・・何が早いのだろうか。




話題についていけないと、思ったので、
大人しく自分の部屋で待っていることにした。








兄ちゃんと話していた人が、誰だかは、少しだけ予想がついた。

僕の家柄とか、色んな情報を組み合わせると、
最終的に、ある組織に辿りつく。


で、声から予想する年齢を考えると、
ある一人の男が浮上する。





でも、何故兄ちゃんに?

何故僕の名前があがる?

何のために?




考えれば考えるほど、わからなくなる。

とりあえず、情報提供してもらうために、電話だ。




スマホを取りだし、電話帳を開く。

最近は、まったく連絡を取っていなかったため、履歴から探すのは面倒くさい。




ある名前を探し出すと、電話をかけた。


ーープルルルルル、

「っもしもし!田嶋です!
透さん、お久しぶりです!」


「あー久しぶりだな。
みんな元気?」



電話帳から探し出したのは、田嶋という二十歳過ぎの男。



用件は、一つだけ。




「何で織田さん、僕ん家来てんの?」











先程から兄ちゃんと話している男は、織田 秀和という、人だ。

ある方面の人に、この人の名前を言うだけで、震えあがるほどの大物である。



まあ、その『ある方面』ってのは、ヤクザとか暴力団とかだけど。

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あきゅろす。
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