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梓瀞学園
半径何m?


「〜〜〜っ! ──ぐぁっ!」


更に、突然の顎の痛みに唸り隙が出来た社の左頬へと、俺はパンチを繰り出し、社はその衝撃でフローリングに転がる。


「……ったく、転入したてで不安だろうから、気を使って人が下手に出てりゃあ、調子に乗りやがって」


地響きの様に低くゆっくり唸り声を出し、ゆらゆらと覚束無く立ち上がる俺を、社は顎と頬を押さえ床に伏したまま、唖然と見つめる。


「俺がテメーに抱いてほしーだぁっ!? ドコをどー見たら、んな愉快な解釈に行き着くんだタコ! お前の頭ん中は、お気楽後気楽お花畑かぁゴラッ! 能無しターコ!」


ゆっくり一回、社が瞬きをした。口はポカンと開いたままだ。

だが俺の話はまだ続く。


「前のガッコーで相当おモテになられてたらしーですが、世の中テメー中心に廻ってなんかいねーんだよタコ! 悪かったなぁ、男の癖にガッチリしてなくて! どーせ俺は漣と違って、母親似の女顔だよタコ! それと、人の話は最後まで聞け、ターーーコッ!」







【──……タコタコ言い過ぎ】


電話の向こうで、呆れ混じりに失笑するやちるの声を聞きながら、俺は2つの意味で頭を抱えた。


「……だってアイツの頭の色見てたら、タコさんウインナーが頭ん中に浮かんできて。あ゙ー頭、後ろも前も痛ぇー」

【なんか、キレた時の春宵みたいだな。マシンガントークみたいになって。……つーかお前、喧嘩ん時って頭突きとかあんましねぇのに、珍しいな?】


確かに一方的に怒鳴ったのは春宵……明月のキレた時に似てたかも。


「いや、両手押さえつけられてたし、頭突きしかねーかなーって、思わず」

(それに、夕方校舎で蜜柑色に頭突きされたの思い出して、コレだっ! て思ったんだよ)

【つーか、説教たれる母ちゃんみてーだな】

「……」


俺はキレて社に一方的に怒鳴った後、直ぐに自室に籠り、頭が冷えてから猛省し、やちるに電話を掛けたのだ。


【喧嘩売るなっつってた張本人である総長様が、俺達の知らない所で喧嘩売るなよなー】


非難と言うよりも、凹んでいる俺をからかう様な、軽い口調のやちる。


「だからこうやって、謝罪の電話してんじゃん! つーかあれって正当防衛じゃね? ……いや違うな。だから俺もこんなに落ち込んで、反省してんだよ」

【……まぁ、今までお前に近付いてくる奴って、最初からお前に好意を持ってた奴等ばっかだからなー】



[*BACk][NEXt#]

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あきゅろす。
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